レンアイ 遊興




訳わかんねぇ。


そう思い、歩き始めようとしたらあきの声が聞こえた。


「あれ、雪音ー?」


進んだ足を戻して図書室に顔をひょこっと出す。


「いないの?」


「いねぇ。どこ行ったんだアイツ」


そう言って戻って来たあきは、さっきの音符など一つも飛んでなくて。


仕方なく、宛てもなく歩き出すオレたち。


ザワザワとしだす校舎。


「文化祭始まったみたいだな」


オレの言葉に


「そうだな」


と、凄く低い声を返してきたあき。


始まる前に会えなかったとは言え、今のあきはかなり不機嫌だ。




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