レンアイ 遊興
冷静を保つため、オレはいつものように微笑んだ。
「コイツが朝言ってた空」
あきの言葉に、オレもその子に話しかける。
「海風 空です。つくしちゃんだよね?よろしくね」
すると、つくしちゃんは
「よ、よろしくお願いしますっ」
と、慌ててお辞儀をした。
そして、頭をあげると驚くような言葉をオレにぶつけてきた。
「あの…失礼ですが王子様ですか?」
……は?
「は?」
あきもオレと同じで驚いている様子で。
「だ、だって海風空先輩ってクールな王子様で有名なんだよ?そんな人がうちにいたら誰だってびっくりするよっ」
なんて慌てて言うつくしちゃんは、きゃあきゃあ言う女子とは違く、少し顔を赤らめて、やはり緊張しているようだった。
「どこがクールな王子様だよ」
なんて言うあきの言葉なんか耳に入らない。