レンアイ 遊興




えっ、待って!


そう言いたかったが、拓ちゃんの顔が近すぎて、

もうダメだ、とギュッと目を瞑った。




バンッ!!


「つくしちゃん!!」


…えっ?


静まる教室。

私を呼ぶ声。


何?

誰かが入ってきたことはわかるが、ドアから入ってきたその人は、拓ちゃんで見えない。


「おい!拓馬っ」


その声と同時に私から拓ちゃんが離れて、視界がパッと明るくなる。


「…なん…で」


なんで空先輩がいるの?


空先輩は真っ直ぐ拓ちゃんを見て


「オレの勝ちだ」


そう言って微笑んだ。




< 270 / 412 >

この作品をシェア

pagetop