レンアイ 遊興
えっ、待って!
そう言いたかったが、拓ちゃんの顔が近すぎて、
もうダメだ、とギュッと目を瞑った。
バンッ!!
「つくしちゃん!!」
…えっ?
静まる教室。
私を呼ぶ声。
何?
誰かが入ってきたことはわかるが、ドアから入ってきたその人は、拓ちゃんで見えない。
「おい!拓馬っ」
その声と同時に私から拓ちゃんが離れて、視界がパッと明るくなる。
「…なん…で」
なんで空先輩がいるの?
空先輩は真っ直ぐ拓ちゃんを見て
「オレの勝ちだ」
そう言って微笑んだ。