レンアイ 遊興
勝ち…?
訳がわからないまま、二人を見る私。
「つーことで、この姫もらって行く」
「えっ、きゃっ」
空先輩にひょいと持ち上げられて、思わず声を出してしまった。
ていうか、これ、お姫様だっこだよぉ。
拓ちゃんの目が据わっていて、空先輩も爽やかな雰囲気のカケラもなくて。
なに…これ。
まるで二人の間から火花が出るくらい
…怖い。
「…負けました」
拓ちゃんがふっと口元を緩めた。
「連れて行くなら早く連れて行って下さい」
顔は笑っているが、目は全然笑っていない拓ちゃん。
でもその口調が柔らかかったからびっくりした。