レンアイ 遊興




戸惑う暇なんて全くなくて。


いきなりの出来事に目を点にする私。


そんな私を見たのか見てないのか、


「あっ、ごめん!」


空先輩がぱっと顔を逸らした。


その横顔がなんだかほんのり赤い。


「つくしちゃんが拓馬のこと好きなことは知ってるし、二人を離そうなんて思ってない」


…え?

空先輩、なんか勘違いしてる?


けれど、真剣な表情を向けられたら何も言えなくなってしまって。


「だから」


そう言ってふっと微笑んだ空先輩。


でも目は全然笑えてない。むしろ切なそう。



「今のは忘れて、拓馬と幸せになってね」




< 274 / 412 >

この作品をシェア

pagetop