レンアイ 遊興




そう言って、教室から去ろうとする空先輩。


え、なんで行っちゃうの?

ちょっと待ってよ


私も空先輩のこと好きなのに…!



「ずるいです!」


私の言葉に空先輩が、えっと振り返る。


「勝手にキスして、勝手に拓ちゃんと幸せになってとか…

私は空先輩が好きなのに…っ!」


真っすぐ目を見て言う私に、ゆっくりと空先輩が近付いてくる。


「…今の本当?」


返事の代わりにコクンと頷いて見せる。


すると、驚いていた表情からいつもの優しい空先輩の顔になった。


そして、ギュッと抱きしめられて耳元で囁かれる。



「好きだよ、つくし」




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