レンアイ 遊興




「ったく、朱音もなんだよ、すぐに捕まえられて」


「だって、まさか私まで捕まえられると思ってなかったんだもん」


朱音の言葉に拓ちゃんは、はーとため息をついた。


「生徒会も大変ね。特につくしのお守り」


朱音の言葉に私はえっ、と声を小さくあげる。


「それは…生徒会だからじゃなくて…っ」


そこまで言った拓ちゃんと目が合う。


「…なんでもねぇよ。とにかくコイツら連れてくから」


そう言って教室から出て行く拓ちゃんに


「私はわかってるよー拓ちゃんの言いたい事ーっ」


「うっせーよっ」


朱音は、いつも『拓馬』って呼ぶのになぜか『拓ちゃん』と言ってそこだけ貴重し、にこにこと笑っている。




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