レンアイ 遊興




そしたら空は、撫でてる手を止めて立ち上がった。


「あぁ、もうすぐ始まるから来ないかって」


「えっ、何が始まるの?」


私が聞くと、窓から外を見ながらこう空は言った。


「フォークダンス」


ほら、と窓の外を指差されて覗きに行く。


「あ…」


リズムに合わせて踊る人は上から見ると凄く綺麗で。


そっか。この音楽はフォークダンスの曲だったんだ。


窓に張り付いて、その様子を眺めていると、空の声が聞こえた。


「それじゃあ、オレらも踊ろうか」


そして、空は私の前にしゃがんで、右手を出した。



「踊って下さい、姫」




< 348 / 412 >

この作品をシェア

pagetop