レンアイ 遊興
ひ、姫?
戸惑う私の右手を空は掴んで、
一一一ちゅっ
軽く手の甲にキスをした。
それからにっこり笑った空にリードされながら、音楽に合わせてステップを踏む。
くるりと回転し、私が着ているドレスのスカートがふわりと舞う。
その時に言った小さな声は、空に届いたかどうかわからないけど
にっこり笑った執事姿の空の笑顔を見て、本当に王子様のように思えた。
私も…
私もこのドレスを借りて少しは、お姫様に見えるかな?
『空、大好きだよ』
初めての文化祭は甘い余韻を残して、音楽と共に終わっんだ。