レンアイ 遊興
あっ、と思い出して携帯を取り出す。
「空に…今日は帰れなくなったって電話していいかな?」
すると朱音は少し表情が曇ったけど、それはほんの一瞬で。
すぐに笑顔で頷いてくれた。
『どうしたの?』
電話越しに聞こえる空の声。
電話だから、変に緊張しちゃう。
「今日、朱音と帰るから一緒に帰れなくなっちゃって」
『わかった。じゃあまた明日帰ろうか』
「うん、また明日」
『また明日』
電話が切られて、パタンと携帯を閉じる。
「じゃあ行こう」
そう言ってにっこり笑ったら、朱音も微笑んでくれた。