レンアイ 遊興
下駄箱で靴を履きかえていたら、つくしちゃん!と声を掛けられた。
聞き覚えのある声だけど、誰だろうと顔を上げたら、
そこにはやっぱり知美先輩がいた。
「今日は空と帰らないんだぁ?」
文化祭の時の口調ではなくて、可愛いげを含んだ口調だったことに驚いた。
「はい、今日は朱音と遊びに行くんです」
「へぇ〜。どこ行くの?」
「カラオケです」
すると、ぴくりと知美先輩の表情が動いて。
「そう。偶然ねぇ。私もこれからカラオケ行くの」
「えっ、そうなんですか?」
私の質問に、にっこり微笑んだ知美先輩。
そうなんだあ。本当偶然だね。