レンアイ 遊興




すると知美先輩がぱぁっと笑顔になって。


そんな知美先輩に私まで嬉しくなって。



「つくし」


「ん?」


「よかったの?」


校舎を出てずいぶん離れる道路でぽつりと朱音は言った。


「あんなにつくしのこといじめてたのに、簡単に許しちゃうなんて」


心配そうに言う朱音に、私はふっと微笑んだ。


「いいんだよ。嘘ついてるように見えなかったし、知美先輩だってそんなに悪い人じゃないよ」


私がにっこり笑うと、朱音もそっか。と笑ってくれた。



これで丸くおさまったんだもん。


他に何もないよ。




< 354 / 412 >

この作品をシェア

pagetop