レンアイ 遊興
落ち着いてという意味で出した、水の入ったコップを朱音は一気に飲み干した。
《だいたいね、アイツ宝石なんて趣味ある訳ないんだから!》
宝石…?
「な、なんの話?」
私が聞くとはーとため息をついて、
「熱い。下げて」
ワイシャツの胸元部分をパタパタした朱音。
私は立ち上がって、部屋の温度を下げる。
それから、朱音の向かい側に座り直した。
こ、怖い…。
「ほ、ほら、せっかく来たんだし歌おうよ!歌ってイライラ解消し…」
「歌わない」
笑顔で言った私の言葉は、朱音の一言で遮られてしまった。
「今日は歌うために来たんじゃないの」