レンアイ 遊興

マフラーをきゅっと締め、鞄を持ったところで携帯が震えた。


つくしからの着信だ。


「どうしたの？」


少しだけ不安になりながら、一言そう言った。


『今日、朱音と帰るから一緒に帰れなくなっちゃって』


そうか、

今日は一緒に帰れないのか。


「わかった。じゃあまた明日帰ろうか」


ため息をつきたい気持ちになりながらも、平然としているふりをする。


『うん、また明日』


「また明日」


プチッと電話を切ってから、はぁ〜とうなだれる。


まぁ…声が聞けただけでもいいとしよう。


つくしにも友達付き合いがあるし。


仕方ないよな。


そう、自分に言い聞かせる。