レンアイ 遊興
あきの言葉に口を開いたまま固まる敏史。
そして長い沈黙の後に、小さく言った。
「う…わき。朱音が…浮気」
「お、おい。大丈夫か…?」
魂が抜けたような敏史は、とにかく普通じゃなかったから、つい心配になる。
「浮気ってことは…ナンパされに行くってことか?いや、もしかしてクラスの奴らに逆ナンするとか…」
ぶつぶつ言っている敏史の言葉はまるでお経のようで。
「多分、合コン」
そんな敏史にオレは言った。
「今カラオケボックスにいるっぽいし、生徒会メンツで合コンの話出てたから」
オレが言うと、敏史はバッとオレを見た。
「合コン?合コンって言った?」
「え?あぁ」
目を輝かせる意味がわからないオレは曖昧に返事をした。
「よしっ、オレに任せろ!」