レンアイ 遊興
敏史は顔が広い。
そんなことは前々から知っていたが、
まさかこんなに広かったなんて。
「そっか、ありがとな」
電話を切って、カラオケボックスでバイトしている次の友達にかけ直す敏史。
そんな敏史を横目で見ながら、今にもため息をつきそうなあき。
「…………」
まだかよ、なんて言いたそうなあきを見ながらオレは言った。
「つか、お前本当に浮気してないのかよ」
その言葉にえっと顔を上げた敏史。
「してないッスよ!マジで」
電話を切ってから、慌てて否定する敏史をあきは見兼ねたように言った。
「してなくても誤解されるような素振りとか、なんかあんじゃねぇのかよ」