レンアイ 遊興




「じゃあそろそろ帰ろうかな」


そう言ってオレは立つ。


本当はもっといたいけど、さすがにこれ以上いたら悪い気がする。


「あーじゃあそこまで送る」


そう言って立ち上がるあき。


「そこってどこだよ」


「家出てそこの坂まで」


坂ってずいぶん近いな。


靴を履いてドアに手を掛けたところで


「空先輩…っ」


可愛い声で呼ばれて振り返る。


「本当に今日はありがとうございましたっ」


そう言ってぺこりとお辞儀をするつくしちゃん。


そして顔をあげて微笑む。


…帰りたくなくなる。

正直ずっとこの笑顔を見ていたい。




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