初恋

家に帰ると

「お前っ、こんな時間までっっ！！」

お父さんの大きな声が鳴り響く

パンッッ

頬を叩かれた後

お母さんにふと目をやると

何も言わずに笑っている。




自分の部屋に入り

「こんな…家っっ」

と泣いた。

朝まで泣いた。

目がものすごく腫れている


和磨に電話をした。

『…もしもし、和磨ぁ？』

『おう！俺だっ、どーかしたかぁ？』

『会いたい…』

『…』

和磨は一瞬黙った。

『いいよ、じゃぁ美嘉の家まで迎えに行くからっ』

『うん…』

『一歩も家から出るなよっ』

『うん…』

そういって電話が切れた。

「アタシも着替えなきゃ」



クローゼットを開けると紙が一枚

落ちてきた


見てみるとお父さんがアタシを

肩車して、その横でお母さんが落ちないように

アタシを支えていた。


「っっ」

涙があふれ出してきた。



ミニスカートに、Tシャツ。

楽だしこれでいいや…



ピンポーン