拾ってください!
第一話<大きな犬を拾いました>

ガチャ。え、どゆこと?

いつもと変わらない朝。



いつもと同じように起きた私は



いつものように眠い目をこすりながら玄関を開けて



日課である「郵便受けに入っている新聞を取りに行く」ということをしに行った



・・・・・・のに。




私、成瀬 京(なるせ きょう)の目の前にはいつもと違う景色が広がっていました。



玄関を開けた先、距離にして2メートル。


そこには大きいダンボールに入って体育座りをしている人が。

まるで、捨てられた犬みたい。


そう。あくまで「みたい」

犬じゃないから。人だから。



しかもありえないくらい怖い顔してる。


いままで見たことある顔の中で確実に一番怖い顔だ。



綺麗につりあがった色素の薄い瞳。


深く眉間に刻まれたしわ。


薄い唇にシャープな輪郭。


瞳と同じように色素が薄く、黒っていうより茶色の髪。


襟足のほうには赤の鮮やかなメッシュが入っている。
< 1 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop