拾ってください!
綺麗に染め上げられた金髪はちょっと乱れて。


左右の耳にいくつかつけられたピアス。


優しいたれ目の下には色っぽいほくろがある。


制服はこれでもかというくらい着くずされているが、それすら彼に似合っている。


纏う空気はゆるく・・・



とりあえずイケメンなんだけど、

チャらっ!!

すごいチャらい!!


そしてこの人もおそらくはシロさんと同じく不良と呼ばれる人だろう。

そんなにおいがすごくするもん!



「よかったー。間に合ったー!運転手さんありがとねー!」


周りの静まりかえった空気をものともせずに笑顔をふりまく。



その人の纏った空気に影響されてか、バス内の空気が少し柔らかくなりみんなが少しずつ話しだした。



そこの女の子達なんて、さっきまで微動だにしなかったのに今ではシロさんとその人どちらがカッコいいかって話をしてるよ。

さすが女子高生。

切り替えが早い・・・。




「ミコト・・・。」



ん?


今、シロさんなにか言った?


ミコトって誰かの名前かな。
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