2通目のラブレター

後ろの方から誰かの足音が聞こえる

「大崎!!!……と見ない顔だな、新一年か?入学式もうとっくに始まってるぞ!」


かすれた声で私を呼ぶこの人は私の担任、林。
頭の髪の毛が薄いことから生徒にはハゲちゃんと呼ばれている。


「入学式始まってるん!?最悪や、樹莉行こう!」

…と龍が私の手を引っ張る

「離してよ、誰かに見られたら誤解されちゃうじゃん!」

そう言って私は龍の手を振り払った


「……」


気まずい空気が2人の間に流れた

…言い過ぎた…かな。


「んならお姫様だっことどっちがいい?」

懲りないやつ…
そう思いながらもどこかで安心している私がいた

「……お姫様だっこはいや。」

「じゃあ決まりやな!」

そう言った龍は私の手を握って入学式が始まっている体育館へと向かう



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