エリートな彼に甘く奪われました
「あ、あのね、遼…」

「ん?どうしたの」

窓の外を見ていた彼がゆっくりと振り返る。

「あ、あの…、私達の事、会社では秘密に出来ないかな」

「え?」

「私、知られたくないの。誰にも…」

「どうして?」

彼の顔からは柔らかな笑顔が消えていた。

「だって、あなたと付き合うなんて知れたら、きっと大騒ぎになるわ。
それに、私にだって事情があるのよ」

彼の顔色がさっと変わった。

眉根を寄せて何か考えている様だ。

「事情?愛が知られたくないのは…、安東先輩か?」

「や、ち、違うわ、そうじゃないの…」

「昨日言い合ってたよね?何の話だったの?俺には、話せない事?」





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