エリートな彼に甘く奪われました
「七瀬さん…」

俺は体の奥から熱い衝撃がせり上がってくる様な感覚をじわじわと感じていた。

震える彼女に躊躇いながらも自分を抑える事は出来そうになかった。

いいのかな…、本当に。

頭の中を安東先輩の顔がよぎる。

だけど俺はそっと彼女の白い身体に手を伸ばした。………



―――。

それからしばらくして。

俺は気だるそうに俺を見上げる彼女を息を荒げながら見下ろしていた。


彼女は目から涙をポロッと溢してからやがてコクリと頷いた。

それからふと、俺は彼女に大切な事を聞き忘れていた事に今頃気付いた。


「ところでさ…、あれ、あるかな」

俺の言葉にキョトンとしていた彼女だったが、やがて何かを察すると、

「その棚の引き出しに…」

とベッド脇の小さな棚を指差した。





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