エリートな彼に甘く奪われました
冷静にこんな事を考える、したたかな自分が本当に嫌だわ。

彼に申し訳なくて目を伏せる。

彼が腕をほどいて私をくるりと回して自分の方を向かせると、少し屈んで目線を合わせてきた。

「愛?、どうしたの。
ダメ…なのかな」

それだけ言うと彼は私の肩を掴んでいた手をそっと離した。

「………!」

え?待って…。

「ごめん、俺、君が振り向いてくれたんだと思って…。

勘違いしたみたいで…。

悪かったよ、帰る…」

彼は、そう言うなりドアに向かって歩き出した。





< 97 / 236 >

この作品をシェア

pagetop