エリートな彼に甘く奪われました
「や、待って!!違うの!お願い…!」

私はそう言って彼の後ろからしがみついた。

「え」

彼はぴたりと足を止めてゆっくりと振り返った。

もう、必死だった。

行かないで、行かないで…!
独りにしないで…!
話を聞いて…。
ごめんなさい、ごめんなさい。

彼の優しいぬくもりと、甘い香りを知ってしまったら、もう、離れられない。


「愛?ちょっと…」

彼が何か言いかけてる。

さよなら、って?

いや、いやよ。
あなたが最初に言ったんでしょ、好きだって。
なのにどうして離れようとするの!



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