Sky heart




「み…未来…」




その声のする方へと視線を移せば、ハンカチを持っているのにそれを使うことなくボロボロ涙を溢すお姉ちゃん。




その後ろにはお父さん。


お父さんはあたしに背中を向けている。
小刻みに震える大きな肩。




あぁ、そうか。




あたしはすぐに理解した。





あたし…――――――




ほらね。



こういうのは、すぐ理解しちゃうんだ。
一番理解したくないことなのに…笑えるね。



シーツのパリっとした感触。
鼻に残るツンとした消毒液のにおい。
妙にピリっとする空気。



安心したような顔をする看護師さん。
久しぶりのお母さんの体温。
ボロボロ涙を零すお姉ちゃん。
そして、あたし達娘に弱みは見せまいと、隠れて泣いているお父さん。




みんなに…迷惑をかけてしまった。






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