Sky heart
カンカンカン…
あたしの足音が響く空間。
ギ、ギギ…
今にも壊れそうな、鉄が生み出す耳障りな軋む音。
混ざり合わない。
共鳴し合うことはない音と音。
耳障りなこの音と共に、あたしは今にも倒壊しそうな古びたアパートの階段を上っていた。
やっと春になったばかりだというのに、ありえないほどの豪雨で桜の花びらはほとんど散ってしまっていた。
ここからは見える桜の木は、花びらのなくなった裸の桜の木。
どうでもいい。
花なんて、すぐに散ってしまうものだ。
今日だって、半年後だって。
いつだって同じ。