プラトニック・ラブ
Chapter 2
最悪な出来事
「美沙! 何か自給の良いバイトって知らない?」
朝、開口一番。
あたしは美沙の耳元で小さく囁いた。
秘密のバイト。
決して誰にも知られてはいけない。
もちろんのことながら、そんなあたしの言葉を訊いた美沙は驚いたように目を丸くして、
「えっ?! し、知らないよ! ってかバ―――…」
「シャラップっ」
禁句を口にしようとした美沙の口を、あたしはマッハスピードで塞ぐ。
その勢いに、また驚いているようだった。
「静かにしてっ」
変に目立ちたくないあたしは、極力小さく、それでいて迫力は大きく詰め寄っては言う。