プラトニック・ラブ
「…っんぐんん~!!」
何て言ったのか分からなかったけど、何だか苦しそうに見えたから手を離してあげた。
ハアハア呼吸を繰り返す美沙はもう大きな声で言わないだろう。
そう思ったあたしは静かに着席。
暫し荒い呼吸を繰り返していた美沙だったが、落ち着いてくるとキッと厳しくあたしを睨んだ。
「苦しいよ!」
「ご、ごめん…あんな大声で言うから焦って…」
小さくなりながら、これは美沙との秘密の会議だもんといじけながら呟くと、
「あ…そうか…、ごめん…」
さっきまであたしを睨みつけていたのは嘘だったかのように、あたしと同じように美沙はしゅんとなってしまった。
こういうとき、なんだか申し訳なくなってしまう。
ずーっとあたしを睨み続けるような奴なら平気で少し酷いことでも言えるのかもしれないけれど、美沙にはどうもそれができない。
きっとそれは美沙がすごく心優しい人だからなんだろう。