プラトニック・ラブ




誰にも聞こえないように、あたしの耳元に近づいてきたと思ったらコッソリ呟くように、




「チクろうか?」




意地悪っぽい声で言った。



「っ!!」



バイトがバレたら退学ということを知っていてこういうことを言うんだろう。



どうしよう。


どうしようどうしようどうしようどうしよう。




頭が真っ白になる。


けれどそんな脳内でふと思いついた。


あたしにもまだこの危機的状況を抜け出せる術があった。




「…証拠は? 証拠がなくちゃ誰も信じてくれないんじゃないですか…?」




あたしは顔を上げ、挑戦的な瞳でソイツを見つめる―――もとい睨む。



ついでに同じく口角を上げてみようかと思ったが、そんなことが出来る余裕なんてなかった。



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