プラトニック・ラブ
「バイト禁止のことを知っていてのことだろ?」
「そ…っ」
それを言われたら終わりじゃないか!!
だけどあたしの口は閉じない。
悪いのはあたしで、当然の処罰を受けなくちゃいけないことは頭では理解している。
それでも。
それでもどうしても見逃してもらわなくてはいけない理由がある。
「叩いたことは謝ります!! だから―――」
必死に言葉を続けようとしたときだった。
ガラガラガラーっと、生活指導室から完璧まだ怒っているオバちゃんが出てきた。
あたしを見るなり〝まだいたのか〟とそんなイラつきのこもったような顔をしていたけれど、ソイツを見た瞬間顔色が変わった。
「あ…。 さ、先ほどは失礼いたしました…」
…は?
オバちゃんはソイツに向かって深く頭を下げていた。
見たことのないその姿に、あたしは静かに驚いて目を見開く。