プラトニック・ラブ




監視カメラが証拠なんて必要ない。


だってあたしは社長さんにも顔を知られてしまっているんだから。



あたしの顔は青ざめているに違いない。


ビクビクなんて非じゃないと思う。



退学。



今のあたしが最も恐れるワード。


それを平然と、むしろ楽しそうに言ってみせるコイツは悪魔か何かとしか思えない。



悔しさに奥歯を噛み締め睨み付ける。


ソイツは余裕な笑みを見せ付ける。



この差は一体何なのだろう。



悔しすぎる。



これが貧乏と金持ちの違いなんだろうか。


あたしは奥歯を噛み締めたまま、けれど言わなきゃどうしようもない言葉を言う。



「…許して、ください」



「嫌々じゃん」



そりゃそうなっちゃうでしょ?



あたしは負けず嫌い。




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