プラトニック・ラブ
「それ―――――――」
「う、うう、売らないって言ったじゃんっ!!!」
喚く。
叫ぶ。
周りの迷惑なんて知ったこっちゃない。
ソイツの声はあたしに届かない。
「だか――――――」
「食べないって言ったじゃんかっ!!!」
「ちょっと待てっ!!!」
あたしの狂ったようなその喚き声は、ソイツの怒鳴り声によって初めて制止させられた。
突然の、初めて訊いた男の怒鳴り声に、あたしはビクリと肩を震わせ縮こまる。
そんな誰が見ても分かるくらいビビッタあたしに気づいたソイツは、
「悪かった。 俺が悪かったから」
静かにそう告げる。
ソイツの声はあたしに届く。