プラトニック・ラブ



あたしは口を閉じたまま。


知らぬ間に頬を伝っていた涙を止められずに流し続ける。



「う…っ、ふ…っ」



「だからまず落ち着いてくれ」



そう言ってあたしを宥めさせたその言葉は優しかった。



あたしが落ち着いたことが分かると、まず最初にあたしの両手を解放した。


そして、



「座れ」



そう言って両手を引っ張り元のように座らせる。


あたしはやっぱり操られるがままのマリオネットで、大人しく元の位置に戻った。



ストンと座り直したのと同時。


風船が萎むように気持ちが落ち着いたあたしは、俯いたまま少し頭を下げて謝った。



「ごめんなさい…」



あたしらしくない。


喚いてしまった。


悪いのは確実にあたしの方だったのに。



< 175 / 800 >

この作品をシェア

pagetop