プラトニック・ラブ
襲われる! なんて考えてる時点で頭がオカシイ奴みたいじゃないか。
どうせ美しくないガキ体型だし。
襲って見て得する体じゃないし。
被害妄想しすぎた。
大変馬鹿で恥ずかしいことをしてしまったと反省する。
「いや、不安なのは分かる」
「……〝女性〟の気持ちが分かるんですか…?」
それでも痛いくらい押さえつけられたことにちょっとムっとしたあたしは、〝女性〟部分を強調して言ってみた。
もしかすると嫌味っぽくなっていたかもしれない。
けれどそこはあたしにとって重要部分らしい。
「それ――――――」
ソイツが口を開け言葉を発しようとしたとき、その声に被さるように運転手が手短に、
「お話中失礼いたします。 迅様、到着いたしました」
元から決められていたような、ロボットみたいにその運転手は言うとブレーキをかけた。