プラトニック・ラブ
螺旋階段を上がり終えると、一番近くにある部屋のドアを開けた。
「どうぞ」
促されるままにその部屋の中に入っていく。
その部屋はリビングサイズの部屋だった。
けれどそこに置かれているのはソファーと長机に椅子、そして本棚。
余分なものが一切ない。
見た目からして自分の部屋だろうか。
…違った。
コイツはこの家全てが自分の部屋だったんだ。
ソイツはあたしが入ると同時に自分も入ってきて、ドアを閉めた。
そのままあたしを通り過ぎ、長机へと向かっていく。
どうしたらいいか分からないあたしは、ソファーに座ることも何だか微妙だったから長机へと向かった。
ソイツは何やらゴソゴソと机を漁ると、
「見っけ」
小さく声を漏らし、それをあたしに差し出してきた。