プラトニック・ラブ




訊いても分からないかもしれないけど、訊かれたくないという気持ちがある。



悪いことをしようとしているわけじゃないけれど、あんまり口にしてスッキリするようなことじゃない。



だから瑠子が「お姉ちゃんが結婚ー!」なんて騒いでいるうちにお母さんに話しておきたい。



「なんかね…えと、あたし達を養ってくれるって言ってた」



自然と俯いてしまう。



お母さんは何て思うだろうか…?


それだけが気になってしょうがない。



けれどお母さんはやっぱり変わらない。



「うーん、そっかー」



そう言うだけだった。


あたしはチラっと横目でお母さんの表情を伺うけど、やはりいつもと変わらなかった。



何を思ってるの…?


グッジョブって思ってるの…?



お母さんの表情からは何も伺えない。


あたしは何も言えなくなってしまい、体育座りをした足の間に顔を埋めた。



すると何やら瑠子が騒がしくバタバタと走ってきた。





< 207 / 800 >

この作品をシェア

pagetop