プラトニック・ラブ
訊いても分からないかもしれないけど、訊かれたくないという気持ちがある。
悪いことをしようとしているわけじゃないけれど、あんまり口にしてスッキリするようなことじゃない。
だから瑠子が「お姉ちゃんが結婚ー!」なんて騒いでいるうちにお母さんに話しておきたい。
「なんかね…えと、あたし達を養ってくれるって言ってた」
自然と俯いてしまう。
お母さんは何て思うだろうか…?
それだけが気になってしょうがない。
けれどお母さんはやっぱり変わらない。
「うーん、そっかー」
そう言うだけだった。
あたしはチラっと横目でお母さんの表情を伺うけど、やはりいつもと変わらなかった。
何を思ってるの…?
グッジョブって思ってるの…?
お母さんの表情からは何も伺えない。
あたしは何も言えなくなってしまい、体育座りをした足の間に顔を埋めた。
すると何やら瑠子が騒がしくバタバタと走ってきた。