プラトニック・ラブ
少しでも楽になりたい。
少しでも楽な生活の方がいいに決まってる。
迅さんに言われたあの日から、既にあたしの心は決まっていたのかもしれない。
もう―――あたしの心は決まってる。
あたしは傍に落っこちている婚姻届に手を伸ばす。
こんな紙切れ…。
お母さんのため。
瑠子のため。
自分のため…。
―――――――――本当?
ハっと顔を上げる。
ダメダメと首を左右に振って、その生まれた気持ちを押し殺す。
お母さんのため。
瑠子のため。
それでいいんだ。