プラトニック・ラブ
考えただけでコワい。
不安で押し潰されてしまいそう。
けれどあたしの足は軽い。
前へと進んで行く足はあたしの心とは真逆。
あたしが近づいてくるのが分かると、静かな音をたてながら窓が開いた。
「決めた?」
そこから迅さんは顔を覗かせてあたしに尋ねる。
あたしは開いた窓の前で立ち止まった。
そのまま持っていた婚姻届を広げ、その手を前に突き出し迅さんに見せた。
あたしのその行動に、迅さんは面白おかしそうに笑う。
あたしはそんな迅さんに告げるように、
「…よろしくお願いします」
不安や心配、恐怖がバレないように、あたしはシッカリと迅さんの顔を見て言った。
何を思っているんだろう。
何を感じているんだろう。