プラトニック・ラブ




ガっと目を見開き深谷を見る。



「なっ…なぜ…?」



「昨日振り返ったらいないから、引きかえしたらちょうどばったり見ちゃった」



まずかったー? なんて笑いながら言う。



見られた、見られた。


抱き合ってるところ…完璧に見られた…?



あたしは暫し真正面を見たまま停止する。



まずいとかそんな問題じゃない。



あたしはそこで考えた。



…殴ってみようか?


そうすればフっと風のように記憶が飛んだりしてくれないだろうか?



やっぱり暴力で解決しようと考えてしまうあたしは野蛮人。



それしかない。


解決策はやはり暴力。


殴ったもん勝ち。



お母さん…スマヌ。



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