プラトニック・ラブ




「あたしのお母さんと迅さんのお父さんが仲良しなの! だから昨日先生に追われてたあたしを助けてくれた、それだけ!」



これはいいんじゃないかと思う。


これならマジっぽいし(マジだけど)信じてくれやすいんじゃないかと思う。



実際あたしのお母さんと迅さんのお父さんが仲良しなのかはよく分からないけど、多少何か関係があるんだろうと思うから仲良しだということにしておく。



その方が好都合。


ピンチ脱出できる。



「ふーん」



どこかつまらなさそうに頷く。


けれどよし! なんて思っていると、



「じゃあ何で抱きしめてたわけ?」



そこをついてきた。



げ…考えてなかった!!



脳をフル回転して考えた答え。


それは。



「あたしが激突しちゃったの! その場面をちょうど見ただけなんじゃない?!」



激突したのは確か。


…ずっと抱きしめられてたけど。



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