プラトニック・ラブ



――――…



「よっし! 上出来かな」



あたしは腰に手を当て、1人喜びに浸る。



ズウーンっと玄関に並べられたダンボール。


でも… っと思ったときだった。



「ただいまー…って、何だこれ?!」



ミスった。


お母さんの驚いたような声に、あたしはようやく気づいた。



ただでさえ狭い家の玄関。


そこにダンボール8個並べたら通れなくなってしまう。



気づかなかった。


とにかく運べばいいや、としか考えていなかった。



馬鹿した。



「ちょっと通してよー」



「うん…ごめん」



あたしは謝るとダンボールを掴んだ。


そんなとき、ひょっこり開いた隙間から男の子の顔が見えた。



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