プラトニック・ラブ
あれ?
瑠子の友達?
なんて思ってダンボールを持ち上げる。
けれど次の瞬間、あたしは大変なものを目にしてしまった。
「こんにちは。 瑠璃さん」
「………」
持ち上げたダンボール。
その人の顔を見つめたまま呆然としてしまったせいで落っことす。
足の甲に当たったものの、中身は服など軽いものばかりだったから痛くはない。
…瑠璃さん、だってさ。
あぁそうか。
お母さんと社長さんは仲良し…っていうか、知り合いなんだっけな?
「ええぇえぇ―――ッ?!」
あたしは思わず大きな声で叫んでしまった。
あたしが目を見開くと、その人は笑った。
目の前にいる人物―――櫻井グループの社長さん、そして理事長―――迅さんのお父さん。