プラトニック・ラブ
Chapter 1
値段時給2000円
いける。
あたしは誰にも気づかれないように、影でコッソリ小さく拳を固める。
いけるいける。
もりもりいける。
もりもりって何のことか分からないけれど、あたしなら大丈夫。
ダメなはずがないだろう。
なんて。
確信なんてないけれどモヤモヤと心に引っ掛かる不安を断ち切るために、あたしは悶々と呪文のように言い聞かせながら絶賛唸り中。
だってしょうがない。
誰だって普通に緊張するに決まってる。
こんなのってない。
あたしは今一度自分の格好を頭に思い浮かべ、恐る恐る視線を自分の体へと移していく。
「………………、」