プラトニック・ラブ
「にしても、いきなり結婚なんていいのか?」
「え、あ、はい! だ、大丈夫です!」
大丈夫じゃないけれど、断言してみた。
無理です、なんて言わないけれど、言えるわけがない。
「ちょっと瑠璃! いいからまずはお母さんたちを中に入れさせて!」
お母さんは何かを抱えているんだろうか。
少し息遣いが荒いような気がする。
「あ、そうだよね!」
あたしは慌ててダンボールを持ち上げる。
と、また目があった。
真正面に立っている、瑠子と同い年くらい少し身長が高い男の子。
「こんにちは」
その男の子はあたしと目が合うと、礼儀正しく頭を下げてあいさつをしてきた。
あたしは慌ててしゃがみ込んで、正座状態のまま、
「こ、こんにちは」
震えながらあいさつをする。