プラトニック・ラブ
だってそうでしょ?
三ツ星レストランの舌になっちゃってる社長と息子さんに、あたしの家の料理が合うとは到底思えない。
堂々としていられるお母さんを、あたしは違う意味で尊敬したい。
どうすんだよ!
なんて1人ピンチだと思っていると、
「ではお邪魔しようか」
そう言って社長さんと圭介くんは靴を脱ぎ始めてしまった。
う…嘘でしょ?!
確実にこんなボロいアパートに似合わないオーラが出てますよっ?!
何だか恥ずかしくなる。
正直あんな豪華な家に住んでいる人たちに見られたくない。
超お金持ちとド貧乏。
その差は天と地以上の差が存在する。
結婚とかいって…やっぱりマズイんじゃ…?
「瑠璃手伝って!」
そう言うと、お母さんは1つの袋をあたしに押し付けてきた。
あたしは慌ててその袋を受け取る。