プラトニック・ラブ




あたしここで石像になっててもいいかな。


しゃがみ込んで頭を抱えてみる。



誰でもいいから助けてほしい。


けれど誰でもいいって思ってるのに、どうしてこういうときあの人の顔が浮かんでくるんだろう。



あたしは俯いたまま祈るように小さく呟いた。




「……迅さん助けて」




「何だよ」



ハっとして顔を上げる。


そこには少し息を切らした迅さんがいた。



―――びびび…ビックリした!!




「迅さんっ?!」



あたしはしゃがみ込んだままの体勢で顔を真っ青にする。



き…訊かれた…かもしんない。


助けてとか言っちゃったんだけど…。



すると突然迅さんはあたしの前にしゃがみ込んできた。


あたしは驚いてズリズリと少し後ずさる。



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