プラトニック・ラブ




「あ、ありがとう」



あたしはそのティーカップを受け取り、口元に持っていく。


同時にフワっと良い匂い。



「…りんご?」



甘い匂いが鼻を掠める。


りんごの紅茶?



「当たり。 アップルティーだよ」



英二さんはそう言って、自分用のティーカップを持ってくるとお母さんの隣に座った。



「…いただきます」



あたしはそう呟くとアップルティーを口に含む。


アップルティーを初めて飲んだからのせいなのかもしれないけど、物凄く美味しいと思った。



あたしは一口飲むとティーカップを机の上に置き、目の前に座る2人をチラっと見る。



ド貧乏と超お金持ちが並んでると絵にならないと思っていたけど、お母さんと英二さんは何故か絵になっていた。


これを言ったら亡くなった奥さんに失礼か…。



でも普通に夫婦なんじゃね? って思うほど似合っていた。



< 331 / 800 >

この作品をシェア

pagetop