プラトニック・ラブ




ニオイが心配。


その他もろもろ心配だけど、一番心配なのはニオイ。



今までは靴下が汚れていようが、汗でビショビショだろうが気にしなかったけど、今回は訳が違う。



あたし臭くないッ?!



自分じゃ分かんないけど、高級な香りをいつも嗅いでる人たちにとってみれば、もしかするとあたしは汚臭がするかもしんない。



「あぁ、そう言えば」



不意に英二さんが声を上げた。


あたしはハっと顔を上げ、英二さんを見る。



「今まではいきなりだったからこっちで寝たりしてたかもしれないけど、これからは向こうのー…えっと、迅の家になるんだが」



「えぇえッ?!」



あたしはその言葉を訊いた瞬間、思わず声を上げてしまった。


そんなあたしを見て英二さんは笑う。



「夫婦になったんだからそうなるだろうな。 迅は遠慮して今まで何も言わなかったけど、実は来てほしくてたまらないと思うぞ?」



待ってる…ってことを言いたいのかな…?



そう思うけど、迅さんとあの大きな家で2人っきりっていうのは危ないような気がする。


物凄く危険なような気がする。



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