プラトニック・ラブ




「ね、ねぇ迅っ!」



あたしはズカズカ歩いて行く迅を呼び止める。


片方の手でスカートの裾を押さえ、ブレーキをかける。



「どうした?」



迅は振り向くと、裾を押さえたままモジモジしてるあたしに訊いてきた。


あたしは俯いたままモジモジモジモジを繰り返し、恥ずかしながらも呟く。



「あ…あの、ね…た、短パンが欲しいな…」



そんな一般人丸出しのしょうもない言葉に、迅は、



「はぁ?」



〝何馬鹿言ってんだ〟的な口調と目をしながら言われた。


あたしはうっと口篭る。



そう来るって分かってた。


分かってたけどここを譲ることなんてできない。



何て言ったってあたしのパンツがかかってる!!



あたしはじっと迅を見つめる。


迅は頭上にハテナを浮かべたままあたしを見つめる。



〝女性〟の気持ちが分からないらしい。



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